GDP急降下 3つのバブル崩壊 米経済 遠い出口
2009/02/01
【ワシントン=渡辺浩生】世界経済危機の震源地である米国の昨年10~12月期の国内総生産(GDP)は大幅なマイナス成長に陥り、過剰な借金体質で膨
らんだ住宅・消費・金融の3つのバブルが崩壊した米経済が抱える“病巣”の深刻さを裏付けた。過剰な負債を圧縮する調整の過程で、需要も雇用も失われ、リ
セッション(景気後退)が戦後最長となるのは必至だ。米国依存の日本を含め世界が試練の時代を迎える。
≪過剰な借金体質≫
商務省の統計によると、自動車や家電など耐久財消費、住宅投資、ソフトウエアなど企業の設備投資、輸出などGDPの主要項目が軒並み2けた台の減少。在
庫の増加に辛うじて支えられ、全体の伸び率は市場予想(5・4%減)を上回ったが、需要の落ち込みは深刻で、モノが売れないため、値下げラッシュに拍車が
かかり、物価が持続的に下落するデフレの兆候も一段と鮮明になってきた。
昨年255万人の職が失われた雇用の悪化も加速。今月26日には建機のキャタピラー、製薬のファイザーなどが一日に計7万5000人の削減を発表するショックに襲われた。失業率は年内に昨年の7%台から10%に跳ね上がるとの見方が主流になりつつある。
1930年代の大恐慌以降の金融危機を検証したメリーランド大のラインハート教授は「危機の余波」の共通現象として生産と雇用の減少の連鎖を挙げる。
米経済の急降下は、これまで世界経済を牽引(けんいん)してきた成長モデルが、猛烈な勢いで逆回転を始めたことが原因だ。
金融機関は国民に住宅ローンを貸し込み、住宅バブルが拡張。住宅価格の値上がりを背景に借金をさらに膨らませ、身の丈を越えた消費を謳歌(おうか)した。金融機関は、「レバレッジ(てこ)」の原理を駆使し元手資金をはるかに上回る資金でマネーゲームに狂奔してきた。
英エコノミストのマーティン・ウルフ氏によると、米国の民間・公的部門の負債は昨年10~12月期でGDPの3・6倍と、過去最大に達している。
≪「逆レバレッジ」≫
3つのバブルは金融危機で崩壊。過剰な借金体質の是正を迫られ、「逆レバレッジ」と呼ばれる負のサイクルに見舞われている。テコの原理で借金が大きく膨らんでいるだけに、その調整には時間を要する。
07年12月から続く景気後退は4月まで続けば17カ月を数え、81~82年の16カ月を超えて戦後最長となる。危機の震源である住宅価格の調整が終わるのは、「10年以降」との指摘もあり、出口は遠い。
オバマ大統領は失われた需要を埋め合わせ、雇用を創出するため、8000億ドルに上る戦後最大の景気対策の早期実施を目指す。しかし、無駄の多い地方事
業や雇用に直結しそうもない社会事業などに多くが割かれている。費用対効果が疑問視され、「8000億ドルの過ちを許してはならない」(ハーバード大の
フェルドシュタイン教授)との批判も上っている。
経済の抜本的な構造改革を進め、新たな成長モデルを構築できるのか。新大統領の責務は重い。
引用元
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090131-00000084-san-bus_all
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